スピーチで使える言葉
スピーチの言葉は、短くても場全体に届く必要があります。話の主題と聴き手の状況を先に定め、意味だけでなく、聞いたあとに残る余韻まで考えて選びます。
スピーチにまつわる言葉
意味・由来・例文から、使う一語を比べられます。
青は藍より出でて藍より青し
あおはあいよりいでてあいよりあおし
弟子が師匠を超えること。後から育ったものが元のものを凌ぐことを指す。
至れり尽くせり
いたれりつくせり
相手への配慮が隅々まで行き届き、足りない点が見当たらないこと。宿泊、接待、案内、支援などを褒めるときに使う。品物や設備が多いだけでなく、受け手に必要なことが不足なく整っている、という評価を含む。この辞典での使い分けでは、気づきにくい要望まで満たす働きを強く言うなら「痒い所に手が届く」、説明や応対の親切さに焦点を置くなら「懇切丁寧」が近い。豪華さだけを理由に使うと、配慮という中心がぼやける。表記は「至れり尽くせり」であり、「至り尽くせり」ではない。
一諾千金
いちだくせんきん
一度した約束は必ず守ること。一度の承諾が千金に値するほど重みがあることを指す。
一将功成りて万骨枯る
いっしょうこうなりてばんこつかる
一人の将軍が功績を立てる陰には、多くの兵士が命を落としているということ。栄光の裏には無数の犠牲があることを指す。
殷鑑遠からず
いんかんとおからず
他人の失敗は自分への戒めとなる。手本とすべき悪い前例は身近なところにあるということ。
烏合の衆
うごのしゅう
規律も統制もなく、ただ無秩序に寄り集まっているだけの集団のこと。烏(からす)が無計画に群れをなすように、共通の意思や指揮系統を持たない人々の集まりを指す。個々に力があっても組織として機能しないため、まとまった行動を取れず、外部からの圧力に対してすぐに瓦解してしまう。軍事・政治・企業組織など、統率の欠けた集団を批判したり、組織の弱体化を表現したりする際に幅広く用いられる。
温厚篤実
おんこうとくじつ
人当たりがおだやかで、まじめさと誠実さを備えた人柄。単に怒らない、優しいというだけではなく、長い関わりの中で信頼できる人物を敬意を込めて評する語である。静かな性格だが意思がない、という意味にはならない。自己紹介で一語だけ飾るより、推薦文や送別の言葉で、具体的な行いとともに「温厚篤実な人柄」と述べると自然である。気さくで社交的な印象なら「温和」、従順さをいうなら「温順」が近い。穏やかな対応と揺るがない誠実さの両方を伝えたいときに、この言葉が役立つ。
隗より始めよ
かいよりはじめよ
何事も手近なところから始めよということ。改革や計画は、まず自分自身や身近なことから着手すべきという教え。
果報は寝て待て
かほうはねてまて
幸福は人の力だけでは思い通りにならないことが多い。できる手を尽くしたなら、あとは焦らず静かに時機を待つのがよいということ。「果報」は仏教語で、過去の行いがもたらす善果を意味する。努力を怠ることを許す言葉ではなく、やるべきことを終えた後の心の持ち方を説く。縁は人の都合に合わせては動かない、という静かな諦観が根底にある。
肝胆相照らす
かんたんあいてらす
互いに心の奥底まで打ち明け合い、深く理解し合うこと。腹を割って話せる真に親密な関係を指す。
スピーチでは、言葉を主役にせず話の芯を支える
- 冒頭の挨拶、経験の共有、結びの決意など、言葉を置く役割を決めます。
- 由来のある表現は説明を一言添えると、聴き手が意味を追いやすくなります。
- 一度のスピーチに詰め込みすぎず、覚えてほしい表現を一つか二つに絞ります。
まだ言葉が決まらないとき
場面や感情をそのまま入力して、意味の近い表現を探せます。