優柔不断
ゆうじゅうふだん
四字熟語の意味
ぐずぐずとして決断力に欠けること。「優柔」は気が弱く柔らかい性格を、「不断」は決断できないことを指す。性格的な特徴として用いられることが多く、批判的なニュアンスを帯びる。重要な局面で決断を先延ばしにする傾向を表す言葉。リーダーや上司に用いると批判的なニュアンスが強くなるため、使う場面と相手関係には注意が必要。反省や自省の文脈でも「自分の優柔不断を克服する」という形で使われる。
由来・語源
「優柔」は中国の古典にも見られる語で、性格が穏やかで柔軟すぎることを指す。「不断」は決断しないこと・決定を下せないことを意味する。「優柔」自体は『書経』や『礼記』にも近い語感の表現があり、穏和・温厚という肯定的な意味で用いられることもあったが、「不断」と組み合わせることで批判的な意味が強くなった。「優柔不断」の四字熟語として定着したのは、日本語の用法として江戸〜明治期と考えられる。「優柔」には本来ポジティブな含意があったが、「不断」が否定的なニュアンスを加えた結果、現在では批判的な文脈で用いられることが主となっている。優柔不断の対義語「果断」「決断力がある」は、東洋・西洋を問わずリーダーの資質として古来重んじられてきた。
用例
- “彼は優柔不断で、レストランのメニューを選ぶのにいつも五分以上かける。”
- “優柔不断な態度が続くと、周囲の信頼を失ってしまう。”
- “大事な決断を優柔不断に先延ばしした結果、好機を逃してしまった。”
- “上司の優柔不断に部下たちは苦しみ、プロジェクトが停滞した。”
- “優柔不断に見えた彼も、いざとなれば迷いなく行動できると分かった。”
類義の四字熟語
対義の四字熟語
英語訳
"Indecisive." / "Wishy-washy." / "Unable to make up one's mind."
使うシーン
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
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関連する四字熟語
一刀両断
いっとうりょうだん
一太刀でまっぷたつに断ち切ること。転じて、迷いなく物事をすっぱりと決断・解決すること。複雑な問題や長引く議論を思い切りよく処理する様子を表す。「一刀のもとに断ち切る」に近いニュアンスで、明快な判断力を称える際に使われることが多い。優柔不断と対照的に使われることが多く、複雑な問題を思い切りよく解決するリーダーの資質として「一刀両断の判断力」が評価される場面も多い。
温厚篤実
おんこうとくじつ
人当たりがおだやかで、まじめさと誠実さを備えた人柄。単に怒らない、優しいというだけではなく、長い関わりの中で信頼できる人物を敬意を込めて評する語である。静かな性格だが意思がない、という意味にはならない。自己紹介で一語だけ飾るより、推薦文や送別の言葉で、具体的な行いとともに「温厚篤実な人柄」と述べると自然である。気さくで社交的な印象なら「温和」、従順さをいうなら「温順」が近い。穏やかな対応と揺るがない誠実さの両方を伝えたいときに、この言葉が役立つ。
腹をくくる
はらをくくる
どのような結果になっても受け入れる覚悟を決め、思い切った行動に出る心境になること。覚悟を固め、逃げずに立ち向かう決意を表す言葉。不安や恐れを乗り越えて、開き直りを含む強い決断を示す表現。武士が腹帯を締めて臨戦態勢を整えたイメージが語源とされ、腹(本心・覚悟の座)をひとつに固めることを指す。「腹を割って話す」「腹に一物ある」と合わせて「腹の慣用句」の代表格のひとつ。
杞憂
きゆう
心配する必要がないと判断できることを、あれこれ心配する取り越し苦労のこと。中心にあるのは、単に不安を感じることではなく、心配の根拠が乏しいか、心配する理由がなかったと分かることである。だから、まだ安全確認が済んでいない事柄や、備えを要する具体的な危険を、根拠を確かめずに「杞憂」と片付けるのは合わない。事態が落ち着いた後には、「杞憂に終わった」「心配は杞憂だった」と振り返る形でもよく使う。日常の軽い心配なら「取り越し苦労」、起こる可能性を慎重に述べるなら「懸念」と使い分けたい。人の心配を一言で退けるより、何が確認できたら安心できるかを確かめるほうが、この語の重さを誤らない。
急がば回れ
いそがばまわれ
急いで目的を達したいときほど、危険な近道ではなく、安全で確実な方法を選んだほうが、結局は早く着くというたとえ。遠回りそのものを勧める言葉ではなく、失敗ややり直しの大きい場面で、手順の確認や準備を省かないという判断を表す。締切が迫る仕事、慣れない道、重要な契約などで使いやすい。単に遅い行動を正当化する意味にはならない。
継続は力なり
けいぞくはちからなり
何事も根気強く続けることで、やがて大きな力や成果が生まれるということ。小さな努力も積み重なれば無視できない力になり、継続すること自体が能力を育てる。才能の有無にかかわらず、諦めずに続ける姿勢こそが実力の土台になるという意味を含む。大正時代の浄土宗僧侶・住岡夜晃の詩に由来するとされ、宗教的には人格形成と精進の意味合いも持つ。
不言実行
ふげんじっこう
言葉で言わずに黙って実行すること。日本の伝統的な美徳の一つで、口先だけで何も行動しない人間より、黙って実際に動く人間を評価する価値観を表す。武士道・禅の精神とも関連し、「有言実行」と対をなす言葉。不言実行とは対照的な「有言実行」と対で語られることが多く、日本の職人や武士が体現してきた「言葉より行動」という価値観の根幹を表している。現代でも口先だけの人物への批判文脈で頻用される。
有言実行
ゆうげんじっこう
口で言ったことを必ず実行すること。言葉と行動が一致する誠実さ・責任感を表す。「不言実行」が「黙って実行する」美徳を説くのに対し、こちらは「宣言した以上は必ず成し遂げる」という意志の強さを重んじる。現代のリーダーシップ論でも評価される資質。有言実行の人は「宣言責任」を自分に課しており、言った以上は後戻りできないという心理的プレッシャーが行動力につながるとも言われる。