言葉辞典
四字熟語

一刀両断

いっとうりょうだん

四字熟語の意味

一太刀でまっぷたつに断ち切ること。転じて、迷いなく物事をすっぱりと決断・解決すること。複雑な問題や長引く議論を思い切りよく処理する様子を表す。「一刀のもとに断ち切る」に近いニュアンスで、明快な判断力を称える際に使われることが多い。優柔不断と対照的に使われることが多く、複雑な問題を思い切りよく解決するリーダーの資質として「一刀両断の判断力」が評価される場面も多い。

由来・語源

剣術・武術の文脈から生まれた表現。「一刀」は一太刀(ひとたち)のこと、「両断」は真っ二つに断ち切ることを指す。武士が鍛錬によって試し切りで物体を一撃で両断する技術は刀工・剣客の間で重んじられた。日本語として成立したと考えられ、中国古典に直接の原典は見当たらない。江戸時代の武道の書にも「一刀両断」の語が見え、剣術の理想的な一撃を表した。次第に比喩的な意味が前面に出るようになり、明治以降は「問題をすっぱりと解決する」意味で使われるようになった。現代では法律・裁判(判決)、経営判断(大胆な改革)、人間関係(きっぱりと縁を切る)など、さまざまな場面で使われる。武道の精神を反映した表現として、ビジネスや政治の場面でも「一刀両断の決断」という慣用句で多用される定番表現となっている。

用例

  • 長引いた議論を社長が一刀両断、最終決定を下した。
  • 彼女の一言が問題の核心を一刀両断し、会議室に沈黙が訪れた。
  • 悪習を一刀両断にするために、社内規定を全面的に見直した。
  • 裁判所の判決は被告の主張を一刀両断する内容だった。
  • 一刀両断に見えるが、その判断の背後には深い熟慮があった。

類義の四字熟語

明快(めいかい)に解決する断固(だんこ)たる一挙に解決快刀乱麻(かいとうらんま)

対義の四字熟語

優柔不断(ゆうじゅうふだん)棚上げ(たなあげ)有耶無耶(うやむや)

英語訳

"Cut the Gordian knot." / "Settle the matter decisively."

使うシーン

人物評ビジネス受験頻出

参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年

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四字熟語

優柔不断

ゆうじゅうふだん

ぐずぐずとして決断力に欠けること。「優柔」は気が弱く柔らかい性格を、「不断」は決断できないことを指す。性格的な特徴として用いられることが多く、批判的なニュアンスを帯びる。重要な局面で決断を先延ばしにする傾向を表す言葉。リーダーや上司に用いると批判的なニュアンスが強くなるため、使う場面と相手関係には注意が必要。反省や自省の文脈でも「自分の優柔不断を克服する」という形で使われる。

故事成語

破竹の勢い

はちくのいきおい

竹を割るように一気に進む止めがたい勢いのこと。物事が次々と勢いよく進んでいく様子を指す。

故事成語

一気呵成

いっきかせい

作業の流れを途中で切らず、ひと続きの勢いで文章や仕事を仕上げること。もともとは詩文を作り上げる場面に強く結び付くが、今は脚本、企画、改革など、まとまった仕事を完成まで進める場合にも使う。「数が一気に増える」の「一気」と同じく、ひと息にという感覚はある。しかし「一気呵成」は、量が増える自然な変化ではなく、作り手が取り組みを成し遂げる場面に選ぶ語である。急いで雑に終えることを褒める意味ではない。構想や下準備を済ませた後に執筆を一気呵成に進める、と言えば、準備から完成へ流れがつながった印象になる。単に同時に処理するなら「一斉に」、流麗に進む様子なら「一瀉千里」と使い分ける。

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一石二鳥

いっせきにちょう

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一念発起

いちねんほっき

ある物事を成し遂げようとはっきりと心に決意すること。仏教で菩提心を起こすことを「発起」と言い、そこに「一念」(一途な思い)を組み合わせた表現が日常語に転じた。現代では「よし、やろう」という前向きな決意を表す。特に年度の変わり目・転職・失敗の直後など、人生の節目に用いることが多い。心機一転と異なり、最初の一歩を明確に踏み出すニュアンスが強いため、具体的な行動開始を宣言する場面に向く。

ことわざ

急がば回れ

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急いで目的を達したいときほど、危険な近道ではなく、安全で確実な方法を選んだほうが、結局は早く着くというたとえ。遠回りそのものを勧める言葉ではなく、失敗ややり直しの大きい場面で、手順の確認や準備を省かないという判断を表す。締切が迫る仕事、慣れない道、重要な契約などで使いやすい。単に遅い行動を正当化する意味にはならない。

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一挙両得

いっきょりょうとく

一つの行動で二つの利益を同時に得ること。

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不言実行

ふげんじっこう

言葉で言わずに黙って実行すること。日本の伝統的な美徳の一つで、口先だけで何も行動しない人間より、黙って実際に動く人間を評価する価値観を表す。武士道・禅の精神とも関連し、「有言実行」と対をなす言葉。不言実行とは対照的な「有言実行」と対で語られることが多く、日本の職人や武士が体現してきた「言葉より行動」という価値観の根幹を表している。現代でも口先だけの人物への批判文脈で頻用される。

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