起死回生
きしかいせい
四字熟語の意味
今にも死にそうな状態から蘇らせること。転じて、絶望的な状況や危機的な局面を一気に立て直すこと。ビジネスの経営危機、スポーツの試合での逆転、病気からの回復など、広く用いられる。「逆転の一手」「土壇場の大逆転」に近いニュアンスを持つ。「一矢報いる」「起死回生の一打」などの慣用表現としても使われ、劇的な逆転を形容する語として定着。逆境の中でこそ発揮される力を称える意味でも多く使われる。
由来・語源
中国の古典医術に由来する語。伝説的な名医・扁鵲(へんじゃく)が死に瀕した患者を甦らせたという故事から「死んだも同然の者を起き上がらせて生き返らせる」意が生じた。中国古典の『史記』扁鵲倉公列伝には名医が重篤な患者を救う話が記されており、「起死」の語源的背景をなす。「起死回生」の組み合わせとしては、仏教語・漢籍の影響を受けながら日本語として定着したと見られる。日本では江戸時代以降、医術の文脈から外れて「絶体絶命の状況を一気に覆す」という一般的な比喩表現として定着した。現代では特に将棋・囲碁・スポーツ・ビジネスにおける劇的な逆転の場面で頻用される。スポーツ・将棋・ビジネスなど広い文脈で「大逆転」を表す語として定着しており、絶望的状況からの復活を表す最も力強い表現の一つ。
用例
- “三連敗の末に迎えた第四戦、彼の起死回生の一打が試合の流れを変えた。”
- “経営危機に瀕した会社を救う起死回生の策として、新商品の開発に乗り出した。”
- “試験まで三日しかないが、起死回生の詰め込みで乗り切るしかない。”
- “後半ロスタイムの起死回生のゴールで、チームは逆転優勝を手にした。”
- “交渉決裂寸前だったが、社長自らが乗り込んで起死回生の一手を打った。”
類義の四字熟語
対義の四字熟語
英語訳
"Snatching victory from the jaws of defeat." / "A miraculous comeback."
使うシーン
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
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捲土重来
けんどちょうらい
一度敗れた人や組織が、力を立て直して、再び勝負に出ること。試験、選挙、競技、事業のように、失敗と再挑戦の相手がはっきりした場面に合う。「捲土重来を期す」は、まだ成功していない段階で、巻き返す準備と決意を示す言い方である。反対に、望ましくない流行や問題が再び勢いを得ることにも使え、その場合は警戒する側の言葉になる。内に力をためて機を待つだけなら「雌伏」、もう一度勝負に戻るところまで言うなら「捲土重来」である。小さな遅れを取り返すだけなら「挽回」のほうが自然である。
絶体絶命
ぜったいぜつめい
どこにも逃げ場がなく、まったく手も足も出ない究極の窮地に追い込まれた状態。「絶体」「絶命」はともに陰陽道の凶相の方位を指し、どの方向に進んでも凶というところから、逃れる手段が一切ない最悪の状況を表すようになった。日常会話では誇張表現として軽い場面でも使われる。絶体絶命に類似した「万事休す」は諦めの境地を強調するのに対し、絶体絶命は逃げ場のなさを表すため、逆転劇の直前場面でよく使われる。緊迫感を最大限に表現する語として定着している。
七転び八起き
ななころびやおき
何度失敗してもその都度立ち上がって努力すること。転んでも転んでも起き上がる不屈の精神を表す。失敗や挫折を繰り返しながらも諦めずに前進し続ける姿勢を称える表現。挫折した人を励ます言葉、あるいは自分自身の意志を確かめる言葉として使われる。「七転八起(しちてんはっき)」とも書き、だるまの起き上がり小法師がこの精神を象徴する。
七転八倒
しちてんばっとう
激しい苦しみや痛みのために、転げ回ってもがき苦しむ様子。身体的な激痛(腹痛・打撲など)だけでなく、精神的な苦悩で途方に暮れる状態にも使う。「七転び八起き(七転八起)」が不屈の精神を表すのとは異なり、こちらは苦しみそのものを表す。似た言葉に「七転八起(しちてんはっき)」があり、七転八起は転んでも立ち上がる不屈の精神を表すが、七転八倒はもがき苦しむ状態そのものを強調する点で異なる。
心機一転
しんきいってん
気持ちや心の状態をすっかり入れ替えて、新たな気持ちで物事に取り組むこと。過去の失敗・悩み・惰性を振り切り、気分を一新して前向きに出発する様子を表す。悪いことが続いた後や、新しい環境に移る際によく使われる表現。特に年度の変わり目や転職・引越しのような節目に用いられることが多く、新しい環境での出発を宣言する言葉として定着している。過去の自分と決別する積極的な姿勢を表す。
背水の陣
はいすいのじん
退路を断ち、後がない状況で全力を尽くすこと。川や海を背に陣を構え、逃げ場をなくすことで兵士を死力で戦わせた中国の軍事戦術が起源。「後がない状況に追い込まれた」という受動的な意味と、「自ら退路を閉じて覚悟を固めた」という能動的な意味の両面を持つ。単なる窮地の描写にとどまらず、決意の表明としても広く使われる。
万死一生
ばんしいっしょう
ほぼ助かる見込みのない危険な状況の中で、かろうじて命をつなぐこと。
四面楚歌
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周囲をすべて敵に囲まれ、孤立無援の状態であること。味方が誰もいない、完全に追い詰められた状況を指す。ビジネスや政治の場では、反対者や批判者に四方から囲まれた状態の比喩として使われる。支持者が誰もいなくなった窮地を表すほか、自分の意見や立場が全方向から否定され、身の置き場がなくなった状況にも用いられる。