言葉辞典
故事成語

切磋琢磨

せっさたくま

故事成語の意味

仲間や同志と互いに刺激を与え合い、競い合いながら学問・技術・人格を高め合うこと。「切磋」は骨や象牙を切り磨くこと、「琢磨」は玉や石を削り磨くことを意味し、地道な研鑽を経てこそ輝きが生まれるという含意を持つ。一人で黙々と努力するよりも優れた仲間と互いに高め合う過程に豊かさがあるという思想を体現した言葉である。

故事の由来

中国の『詩経』(しきょう)衛風「淇奥(きいく)」篇と、孔子の言葉を記した『論語』学而篇に由来する。詩経の原文では「如切如磋、如琢如磨」(切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如し)と詠まれており、衛国の武公(ぶこう)の徳を称える詩の一節として登場する。孔子の弟子・子貢(しこう)がこの詩句を引いて「学問とは終わりなく磨き続けることではないか」と孔子に問うた。孔子は「始めて与に詩を言うべきなり(ようやくこの弟子と詩を語れるようになった)」と称え、その問いを高く評価した。この問答が『論語』学而篇に記録され、以後「切磋琢磨」は師弟間・同朋間で互いに高め合う修養の理想を表す言葉として定着した。現代の日本ではスポーツや企業組織の文脈でも頻繁に用いられる。

用例

  • 同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨することで、自分一人では気づかなかった弱点を知った。
  • 彼女は同期の中で一番優秀だが、それでも他のメンバーと切磋琢磨することを欠かさない。
  • 道場の仲間と毎日切磋琢磨した十年間が、今の自分を作った。
  • 良き競合他社の存在が、互いの製品開発を切磋琢磨させることになった。
  • 研究室では学生同士が切磋琢磨しながら、世界水準の論文を書き上げた。

類義の故事成語

互いに磨き合う競い合う鎬を削る研鑽を積む

対義の故事成語

馴れ合い惰性孤立した修業

英語訳

To mutually encourage and challenge each other to improve; to strive together for growth and excellence.

使うシーン

受験頻出ビジネススピーチ努力教育

参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年

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韋編三絶

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書物を繰り返し熱心に読むこと。何度も読み返すほど本への情熱が深いことを指す。

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他山の石

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他の山から採れたつまらない石でも、玉を磨くのに役立てることができる。転じて、他人の過ちや欠点も自分の修養・向上の参考になるということ。悪い例からも学べるという教えで、他人の失敗を反面教師とする姿勢を表す。ただし本来の意味は「他人の言動や意見を自分の向上に役立てる」という中立的なものでもある。自分の向上に役立てるという中立的なニュアンスも持ち、反面教師よりもやや広い文脈で使える語。

ことわざ

継続は力なり

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何事も根気強く続けることで、やがて大きな力や成果が生まれるということ。小さな努力も積み重なれば無視できない力になり、継続すること自体が能力を育てる。才能の有無にかかわらず、諦めずに続ける姿勢こそが実力の土台になるという意味を含む。大正時代の浄土宗僧侶・住岡夜晃の詩に由来するとされ、宗教的には人格形成と精進の意味合いも持つ。

四字熟語

温故知新

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以前に学んだことをよく復習して新しい知識・見解を見出すこと。孔子が真の師たるべき資格として説いた言葉で、単なる知識の蓄積ではなく、過去の学びを現在の問いに照らし合わせることで新しい発見を得る知的姿勢を指す。現代では歴史や先人の知恵から現代的な解決策を見出す姿勢を表すのにも使われる。一方的な知識の蓄積でなく、問い直しと再解釈を重んじる。

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四字熟語

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数多くの実戦経験を積んで鍛え上げられていること。経験豊かで老練なこと。

ことわざ

塵も積もれば山となる

ちりもつもればやまとなる

わずかなものでも、積み重なれば大きなものになるということ。小さな努力・節約・積み立てを継続することの大切さを説く。毎日の些細な行動でも長く続ければ大きな成果を生むという教えで、貯蓄・学習・訓練など、地道な継続を励ます文脈でよく使われる。小さなことを軽視しないよう促す意味合いも含み、日々の習慣の力を示す表現。

四字熟語

質実剛健

しつじつごうけん

飾り気がなく誠実で、心身ともに強くたくましいこと。「質実」は内面の誠実さを、「剛健」は外見・体力の強さを表す。日本では主に教育の精神や理想的な人物像を表す際に用いられ、特に旧制学校の校訓として広く用いられた。現代でも体育会系の部活動や伝統的な職人文化において、質実剛健を体現した人物が尊ばれる傾向がある。外見よりも中身・実力で勝負する生き方を象徴する語として定着している。

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