言葉辞典
四字熟語

温故知新

おんこちしん

四字熟語の意味

以前に学んだことをよく復習して新しい知識・見解を見出すこと。孔子が真の師たるべき資格として説いた言葉で、単なる知識の蓄積ではなく、過去の学びを現在の問いに照らし合わせることで新しい発見を得る知的姿勢を指す。現代では歴史や先人の知恵から現代的な解決策を見出す姿勢を表すのにも使われる。一方的な知識の蓄積でなく、問い直しと再解釈を重んじる。

由来・語源

『論語』為政篇にある「温故而知新、可以為師矣」が出典で、中国語版ウィキソースの『論語』為政第二でも第十一章(二之十一)として確認できる。訓読は「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」。コトバンクが載せる辞書は、この句を「過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと」(デジタル大辞泉)、「昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと」(精選版 日本国語大辞典)と説明する。読み方にはひとつ厄介な点がある。「温」を「たずねて」と読む辞書が多いが、四字熟語を知る辞典は岩波文庫の『論語』が「あたためて」を採ることに触れ、「古いものに温もりを与えて」と捉えれば「あたためて」でもよいとしたうえで、漢和辞典も両方を併記していると書いている。日本語での使用は古い。『精選版 日本国語大辞典』は初出の実例として、『続日本紀』が伝える大宝三年(703年)三月丁丑の記事の「然温故知新希有其人」を挙げている。近代以降では坪内逍遙『梓神子』(1891年)、石坂洋次郎『若い人』(1933〜37年)などが辞書に挙がる。ただし伝来の経緯や日本で誰が広めたかまでは、確かめた辞書のいずれも書いていない。

用例

  • “温故知新の精神で、昔の技術書を読み返したら現代の問題へのヒントが見つかった。”
  • “先人の失敗から学ぶ温故知新の姿勢が、この会社の強みだ。”
  • “温故知新というが、古典を読むと現代にも通じる普遍的な知恵に驚かされる。”
  • “歴史の授業は温故知新そのもの。過去を学ぶことで未来の見通しが立つ。”
  • “彼女は温故知新を実践し、古い料理技法を現代の食材と組み合わせた新メニューを開発した。”

類義の四字熟語

旧来の知恵を生かす法古創新(ほうこそうしん)故事来歴を踏まえる歴史に学ぶ

対義の四字熟語

前例主義への固執旧弊を引きずる

英語訳

"Learn from the past to understand the new." / "Study the old to know the new."

使うシーン

教育学習ビジネス人生訓受験頻出

参考文献

このページで確認した資料

意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。

  • コトバンク「温故知新」 — 各辞典の語釈と訓読、精選版 日本国語大辞典が初出の実例に挙げる『続日本紀』大宝三年(703年)三月丁丑「然温故知新希有其人」、四字熟語を知る辞典の「岩波文庫『論語』では『あたためて』を採用」「漢和辞典も両方を併記」という記述の確認
  • Wikisource『論語』為政第二 — 「溫故而知新,可以爲師矣」が為政篇の第十一章(二之十一)であることと原文の確認

編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年

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