言葉辞典
故事成語

自縄自縛

じじょうじばく

故事成語の意味

自分の言葉や行動が原因となって、自分自身が苦しい立場や束縛された状態に陥ること。まるで自分で縄を縛って自分を動けなくしてしまうように、自ら招いた制約に苦しむ様を表す四字熟語。過去の発言・主張・ルールが後から自分の行動の自由を奪う状況を指し、政治・ビジネス・日常の言動全般に広く使われる。自業自得の中でも特に「言動が自分を縛る」という構図に焦点を当てた表現。

自縄自縛のイメージ

故事の由来

辞書は「自分で自分を縛る」形から、自らの言動で自由が利かなくなる意味になったと説明する。『地獄の花』(1902)などの用例が挙げられる。仏教・禅宗の「無縄自縛」は別の表現であり、今回確認した資料は「自縄自縛」の由来を仏教教義や鎌倉期に結びつけていない。由来はこの字義的な比喩の範囲にとどめる。

用例

  • “「残業は絶対にしない」と宣言したが、締め切りが迫って自縄自縛に陥ってしまった。”
  • “強硬な発言を繰り返した結果、交渉の余地をなくして自縄自縛の状態になった。”
  • “細かすぎるルールを自分で作りすぎて、かえって仕事が進まない自縄自縛に悩んでいる。”
  • “嘘をつき続けた結果、もはや収拾がつかず自縄自縛に陥っている。”
  • “過去の発言が蒸し返されて自縄自縛となり、政策転換もままならない状況だ。”

類義の故事成語

自業自得因果応報自分の首を絞める身から出た錆

対義の故事成語

自由自在縦横無尽柔軟に対応する

英語訳

Being hoist by one's own petard; To be trapped by one's own words or actions

使うシーン

受験頻出ビジネス日常会話

参考文献

このページで確認した資料

意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。

編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年

関連する故事成語

ことわざ

自業自得

じごうじとく

自分のした悪い行いの報いを自分が受けること。身から出た錆。

四字熟語

自由自在

じゆうじざい

思い通りに物事を操ること。何の制約もなく自在に振る舞えること。

ことわざ

身から出た錆

みからでたさび

自分の犯した悪行の結果として、自分自身が苦しむこと。

ことわざ

口は災いの元

くちはわざわいのもと

不用意な発言や軽はずみな言葉が、本人にとって予期せぬ災難や困難を引き起こす原因となることがある。言葉はひとたび口から出ると取り消すことができないため、発言には十分な注意が必要であるという教訓。怒りや感情的な状態での言葉、機密の漏洩、場をわきまえない一言に対する戒めであり、SNS全盛の現代においてこの教訓はより一層重みを増している。

慣用句

頭を抱える

あたまをかかえる

難しい問題や困った状況に直面して、どうすればよいかわからず深く悩むこと。文字どおり両手で頭を抱えるような、深刻な困惑・行き詰まりの状態を表す言葉。解決策が見つからない焦りや絶望感を身体動作に例えた表現で、仕事・家庭・人間関係などあらゆる困難な場面に幅広く使われる。英語の「at one's wit's end(万策尽きた)」に対応する表現。

四字熟語

自問自答

じもんじとう

自分で自分に問いかけ、自分で答えること。深く考えること。

四字熟語

絶体絶命

ぜったいぜつめい

どこにも逃げ場がなく、手も足も出ない窮地に追い込まれた状態。日常会話では軽い場面にも誇張して使われる。

慣用句

腹をくくる

はらをくくる

どのような結果になっても受け入れる覚悟を決め、思い切った行動に出る心境になること。『デジタル大辞泉』は覚悟を決める・決意を固める意とし、『精選版 日本国語大辞典』は「どんな結果になってもたじろがないように意を決する」と語釈する。うまくいかなかった場合の損まで引き受けたうえで前に出る、という重さがこの語にはある。辞典が類語として並べる「腹を決める」「腹を据える」「腹を固める」はほぼ同義で、言い換えが利く。

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