言葉辞典
故事成語

虎の威を借る狐

とらのいをかるきつね

故事成語の意味

権力者の威光を背景に威張ること。実力のない者が強い者の権威を借りて他者を威圧することを指す。

故事の由来

中国の『戦国策』楚策に由来する。楚の宣王が臣下に「なぜ北方の諸侯は楚の宰相・昭奚恤を恐れるのか」と問うた。江乙という臣下が答えた寓話から。狐が虎に食べられそうになったとき「天帝が私を百獣の王にした。私を食べれば天の命に背く。信じないなら私の後をついてこい」と言った。狐の後ろに虎が歩いてきたので、百獣はみな逃げた。実は虎を怖れていたのに、狐(昭奚恤)が虎(楚王)の威を借りていたのだと説いた。

用例

  • 社長の息子という立場を利用して威張るのは虎の威を借る狐だ。
  • 上司の名前を出して部下を動かそうとするのは虎の威を借る狐の行為だ。
  • 有名人との交友関係を誇示して信用を得るのは虎の威を借る狐に等しい。

類義の故事成語

親の七光り権威の笠を着る

対義の故事成語

自力で立つ実力で勝負する

英語訳

Trade on someone else's power; hide behind someone's authority

使うシーン

受験頻出日常会話ビジネス

参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年

関連する故事成語

ことわざ

虎に翼

とらにつばさ

もともと力のある者にさらに力が加わること。強いものがいっそう強くなること。

ことわざ

虎穴に入らずんば虎子を得ず

こけつにいらずんばこじをえず

危険を冒さなければ大きな成果は得られないということ。

故事成語

漁夫の利

ぎょふのり

二者が争っている間に、第三者が苦労せずに利益を得ること。他人の争いを利用して、自分が得をすることを指す。争っている両者がともに消耗する一方で、傍観していた第三者が最終的な勝利者になるという状況に使う。ビジネスや政治・外交の戦略的な文脈でもよく引用され、漁夫の利を狙う第三者の戦略を批判または分析するときに使われる。

故事成語

鶏口牛後

けいこうぎゅうご

大きな組織の末端にいるより、小さな組織でも長となった方がよいということ。大集団の末端より小集団の首領の方が本来の力を発揮できる。

故事成語

逆鱗に触れる

げきりんにふれる

目上の人や権力者の激しい怒りを買うこと。君主や上位者の機嫌を大きく損ねることを指す。

四字熟語

画竜点睛

がりょうてんせい

物事を仕上げるための最後のひとつ、それがなければ全体が完成しないという決定的な仕上げの一手を指す。龍の絵に瞳を入れた途端に本物の龍が飛び去ったという中国の故事に由来する四字熟語。作品・文章・発表などにおいて全体を生き生きとさせる核心部分、あるいはそれを加える行為を言う。「画竜点睛を欠く」の形で、詰めが甘く完成に至らないことを指す用例も多い。

四字熟語

臥薪嘗胆

がしんしょうたん

目的を達成するために長い間苦労に耐えること。復讐や大きな目標のために艱難辛苦を自ら課し、志を忘れず耐え続ける状態を指す。単なる受動的な忍耐ではなく、強い目的意識を持ったうえでの意図的な苦難への向き合い方を表す。雌伏して機会を待ちながら、時機を見計らって果断に行動に出るという積極的な忍耐の姿勢をも含んでいる。

故事成語

鶏肋

けいろく

大して役に立たないが、捨てるには惜しいもののこと。やめるに惜しいが続けても大した成果が得られないことを指す。

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