臥薪嘗胆
がしんしょうたん
四字熟語の意味
目的を達成するために長い間苦労に耐えること。復讐や大きな目標のために艱難辛苦を自ら課し、志を忘れず耐え続ける状態を指す。単なる受動的な忍耐ではなく、強い目的意識を持ったうえでの意図的な苦難への向き合い方を表す。雌伏して機会を待ちながら、時機を見計らって果断に行動に出るという積極的な忍耐の姿勢をも含んでいる。
由来・語源
中国の春秋時代末期(紀元前5世紀頃)、呉と越の争いにまつわる二つの故事を合わせたもの。「臥薪(がしん)」は呉王夫差(ふさ)の故事による。越王句践(こうせん)に父の闔閭(こうりょ)を打ち取られた夫差は、復讐を誓い、薪(たきぎ)の上に寝てその痛みで父の仇を忘れないようにしたという。臣下が「今日もご苦労をお忍びですか」と問うたびに「三年を忘れるな」と答えたと伝わる。「嘗胆(しょうたん)」は越王句践の故事による。呉王夫差に敗れ、会稽山で降伏した句践は屈辱的な条件で生き延び、夫差のもとで馬の世話をするなど奴隷同然の扱いを受けた。帰国を許されると、部屋に苦い動物の胆(きも)を吊るし、毎日それを舐めて「会稽の恥を忘れるな」と自分に言い聞かせた。二十年をかけて国力を蓄えた句践はついに呉に攻め込み、夫差を破って会稽山での屈辱を晴らした。これら二つの故事は本来別々のエピソードだったが、中国の史書『史記』越王句践世家および『呉越春秋』に記録され、後に「臥薪嘗胆」としてまとめられ、苦しみに耐えて目標を達成することの象徴となった。
用例
- “新しいプロジェクトを立ち上げるために、臥薪嘗胆の三年間を過ごした。”
- “彼は臥薪嘗胆、毎晩深夜まで勉強して難関資格を取得した。”
- “チームを優勝させるため、臥薪嘗胆の覚悟で基礎練習を続けた。”
- “失敗した翌年、臥薪嘗胆の気持ちで市場分析を徹底し、見事にリベンジを果たした。”
- “創業期の臥薪嘗胆が今日の成功を支えている。”
類義の四字熟語
対義の四字熟語
英語訳
Sleeping on firewood and tasting bile; to endure hardships with a strong purpose in mind. From the stories of King Fuchai of Wu and King Goujian of Yue in ancient China.
使うシーン
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
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