蓼食う虫も好き好き
たでくうむしもすきずき
ことわざの意味
人の好みはそれぞれで、辛い蓼を好んで食べる虫がいるように、人の好みは理解しがたいこともあるということ。
言葉の由来
辛味のある蓼(タデ)を好んで食べる虫がいることから。人の嗜好の多様性を表す。
使い方の例
- “あの映画を好きだなんて、蓼食う虫も好き好きだ。”
似たことわざ
英語の表現
There's no accounting for taste.
使う場面
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年
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関連することわざ
十人十色
じゅうにんといろ
人はそれぞれ好みや考え方が違うということ。十人いれば十通りの個性があること。多様性を認め、他者との違いを自然なものとして肯定する表現。価値観・趣味・意見の違いを指摘したり、その違いを受け入れる文脈で使われる。「こう考えるのが普通だ」という思い込みを諌めるときや、意見の多様さを示すときにも引用される。
花より団子
はなよりだんご
美しい眺めや形式を味わうことより、実際に役立つものや目の前の満足を選ぶこと。花見で桜より団子を楽しむ姿をたとえにする。相手の現実的な選択を親しみを込めて言うほか、自分の食い気や実用志向を軽く笑うときにも使う。芸術や趣味の価値を否定する語ではないので、相手を「風流でない」と決めつける言い方には注意したい。
羹に懲りて膾を吹く
あつものにこりてなますをふく
一度の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなること。
箸が転んでもおかしい年頃
はしがころんでもおかしいとしごろ
「箸が転んでもおかしい年頃」とは、箸が転がるほどの何でもない出来事にもおかしさを感じ、よく笑う年頃のこと。伝統的には十代後半の女性を指してきた。穴埋めで「○が転んでもおかしい」と問われたとき、○に入るのは「箸」だが、「年頃」までが見出し語である。「笑い上戸」は年齢を限定しない笑い癖のある人、「ゲラ」はよく笑う人の口語的な呼び方で、本語とは範囲が違う。現在の相手へ直接使うと性別や年齢の決めつけに聞こえることもあるため、昔を振り返る文や「まるで〜のようだ」という比喩に置くと使いやすい。
類は友を呼ぶ
るいはともをよぶ
「類は友を呼ぶ」は、考え方や趣味、性質の似た人どうしが自然に集まり、仲間になること。似た者が集まる様子そのものをいうため、集まった人たちへの評価は文脈で決まる。「同じ穴の狢」は、一見違って見える相手も同類だと見抜いて批判する言い方で、集まること自体には焦点がない。好みの近い人々が寄り合う様子を穏やかに言うなら「類は友を呼ぶ」、隠れた同類性を指摘するなら「同じ穴の狢」が合う。
馬耳東風
ばじとうふう
忠告や批評を受けても、聞き手が心に留めず受け流すこと。言った側の意図が届かず改まらない点は「馬の耳に念仏」と重なる。後者は助言が効かないという結果をいうのに対し、馬耳東風は聞く側が意見を軽く扱う態度に焦点を置く。ただし辞書も二語を類語に挙げるため、完全に別の語とは分けず、場面ごとに視点を選ぶ。忠告を受けた人が返答や行動を変えず、同じ態度を続けている場面で使いやすい。
棚からぼたもち
たなからぼたもち
努力をしたわけでも準備をしたわけでもないのに、棚の上から思いがけずぼたもちが落ちてくるように、突然予想外の幸運や利益が転がり込んでくること。偶然の幸運、いわゆる「棚ぼた」を表す表現。羨望や驚きを込めて使われることが多い。努力の結果ではない点が「果報は寝て待て」との本質的な違いであり、稀に自嘲や皮肉の文脈でも用いられる。
歯に衣着せぬ
はにきぬきせぬ
相手への遠慮や気遣いをせず、思ったことをそのまま率直に言うこと。相手が聞いて不快に感じることも、ためらわずに直接言う様子を表す。率直さが美徳として機能する文脈では褒め言葉として使われ、無遠慮さや失礼さを指摘する文脈では否定的な意味合いを帯びる。「衣」は絹ではなく衣服の「きぬ」を指し、「歯に絹着せぬ」と書くのは誤記とされる。