羹に懲りて膾を吹く
あつものにこりてなますをふく
ことわざの意味
一度の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなること。
言葉の由来
熱い吸い物(羹)で口をやけどした人が、冷たい酢の物(膾)まで吹いて冷まそうとすることから。
使い方の例
- “一度の投資失敗で全く投資しなくなるのは羹に懲りて膾を吹くだ。”
英語の表現
A burnt child dreads the fire.
使う場面
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年
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関連することわざ
急いては事を仕損じる
いそいではことをしそんじる
何事も焦って急ぐと失敗しやすいということ。急ぎすぎると注意力が散漫になり、手順を飛ばしたり確認を怠ったりして、かえって手直しや取り返しに時間がかかってしまう。「急いては」は「急いで行動すれば」という仮定の表現、「仕損じる」は「やり損ねる・失敗する」の意。物事に落ち着いて取り組むことの大切さを説く、日本の代表的なことわざのひとつ。
臥薪嘗胆
がしんしょうたん
目的を達成するために長い間苦労に耐えること。復讐や大きな目標のために艱難辛苦を自ら課し、志を忘れず耐え続ける状態を指す。単なる受動的な忍耐ではなく、強い目的意識を持ったうえでの意図的な苦難への向き合い方を表す。雌伏して機会を待ちながら、時機を見計らって果断に行動に出るという積極的な忍耐の姿勢をも含んでいる。
杞憂
きゆう
心配する必要がないと判断できることを、あれこれ心配する取り越し苦労のこと。中心にあるのは、単に不安を感じることではなく、心配の根拠が乏しいか、心配する理由がなかったと分かることである。だから、まだ安全確認が済んでいない事柄や、備えを要する具体的な危険を、根拠を確かめずに「杞憂」と片付けるのは合わない。事態が落ち着いた後には、「杞憂に終わった」「心配は杞憂だった」と振り返る形でもよく使う。日常の軽い心配なら「取り越し苦労」、起こる可能性を慎重に述べるなら「懸念」と使い分けたい。人の心配を一言で退けるより、何が確認できたら安心できるかを確かめるほうが、この語の重さを誤らない。
腹をくくる
はらをくくる
どのような結果になっても受け入れる覚悟を決め、思い切った行動に出る心境になること。覚悟を固め、逃げずに立ち向かう決意を表す言葉。不安や恐れを乗り越えて、開き直りを含む強い決断を示す表現。武士が腹帯を締めて臨戦態勢を整えたイメージが語源とされ、腹(本心・覚悟の座)をひとつに固めることを指す。「腹を割って話す」「腹に一物ある」と合わせて「腹の慣用句」の代表格のひとつ。
七転八倒
しちてんばっとう
激しい苦しみや痛みのために、転げ回ってもがき苦しむ様子。身体的な激痛(腹痛・打撲など)だけでなく、精神的な苦悩で途方に暮れる状態にも使う。「七転び八起き(七転八起)」が不屈の精神を表すのとは異なり、こちらは苦しみそのものを表す。似た言葉に「七転八起(しちてんはっき)」があり、七転八起は転んでも立ち上がる不屈の精神を表すが、七転八倒はもがき苦しむ状態そのものを強調する点で異なる。
糠に釘
ぬかにくぎ
いくら意見や忠告をしても、少しも手応えや効果がないこと。
七転び八起き
ななころびやおき
何度失敗してもその都度立ち上がって努力すること。転んでも転んでも起き上がる不屈の精神を表す。失敗や挫折を繰り返しながらも諦めずに前進し続ける姿勢を称える表現。挫折した人を励ます言葉、あるいは自分自身の意志を確かめる言葉として使われる。「七転八起(しちてんはっき)」とも書き、だるまの起き上がり小法師がこの精神を象徴する。
捲土重来
けんどちょうらい
一度敗れた人や組織が、力を立て直して、再び勝負に出ること。試験、選挙、競技、事業のように、失敗と再挑戦の相手がはっきりした場面に合う。「捲土重来を期す」は、まだ成功していない段階で、巻き返す準備と決意を示す言い方である。反対に、望ましくない流行や問題が再び勢いを得ることにも使え、その場合は警戒する側の言葉になる。内に力をためて機を待つだけなら「雌伏」、もう一度勝負に戻るところまで言うなら「捲土重来」である。小さな遅れを取り返すだけなら「挽回」のほうが自然である。