言葉辞典
慣用句

鼻を折る

はなをおる

慣用句の意味

得意になっている人や傲慢な人の自尊心を打ち砕き、高飛車な態度を矯正すること。驕り高ぶった者を一撃で謙虚にさせる行為を指す表現。「鼻」が自尊心・誇りの象徴であることから、その鼻を「折る」ことで相手の驕りや慢心を打ち砕くイメージ。英語の「to take someone down a peg or two(上から引きずりおろす)」に対応する。「鼻が高い」と対照的な関係にある慣用句。

言葉の成り立ち

「鼻」が自尊心や誇りの象徴であることから(「鼻が高い」参照)、その鼻を「折る」ことで相手の誇りや傲慢さを打ち砕くという比喩表現。「鼻が高い」状態にある人を「鼻を折る」ことで、誇りを傷つけ慢心を戒めるというイメージ。英語の「to take someone down a peg or two」(上から引きずりおろす)や「to deflate someone's ego」(自我を萎ませる)に相当する。「鼻(はな)」を使った慣用句の中で「鼻が高い」(誇りを持つ状態)とは対照的な関係にあり、「鼻が高い」が誇りを感じる状態を表すのに対し、「鼻を折る」はそのような得意気な態度を叩きのめす行為を指す点で対照的な関係にある。「鼻っ柱を折る」(「鼻っ柱」は強気・自尊心の象徴)という関連表現もあり、より強い「自信の砕き方」を示す場合に使われる。

用例

  • 無敗の横綱に初黒星をつけた若手力士は、見事に横綱の鼻を折った。
  • 試合で連戦連勝の選手の鼻を折ったのは、若い挑戦者の奇跡的なプレーだった。
  • 成績優秀で驕り始めた後輩の鼻を折るため、先輩は意図的に難問を出した。
  • 彼の態度のでかさにうんざりした同僚たちは、いつか鼻を折ってやろうと思っていた。
  • 傲慢な政治家の鼻を折るような証拠が出てきて、支持率が一気に急落した。

似た慣用句

慢心を打ち砕く鼻っ柱を折る打ちのめす謙虚にさせる

対になる慣用句

持ち上げるもてはやす褒め上げる

英語表現

To deflate someone's ego; To take someone down a peg or two; To humble someone

使う場面

対人批判

参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 米川明彦・大谷伊都子 編『日本語慣用句辞典』東京堂出版, 2005年

関連する慣用句

慣用句

鼻が高い

はながたかい

誇りに思うこと、自慢に思うこと。特に、自分の身内や親しい人の成果・成功を誇りに思う場合によく使う表現。自慢げな様子や得意顔を表す言葉でもあり、正当な誇りや名誉感を示す場合に使われる。否定的なニュアンスは薄く、他者の活躍を自分のことのように誇らしく感じる場面で多く用いられる。英語の「to hold one's head high」や「to be proud」に対応する慣用句。

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頭が下がる

あたまがさがる

相手の行いや人柄に対して深く感心し、心から尊敬の念を抱くこと。思わず頭を下げるほどの感動と敬意を感じる様子を表す言葉。特に、長年の献身的な努力や無私の奉仕、困難な状況での毅然とした姿勢に触れたときに使われる表現。単なる「尊敬する」よりも強い感情的な感銘を含み、体が自然に反応してしまうほどの感動のニュアンスがある。

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他人や物事のために、多大な苦労や努力を惜しまないこと。特に、誰かの役に立つために自分を犠牲にして骨身を惜しまず尽くす行為を指す。感謝の文脈で「骨を折ってくれた」のように使われることが多い能動的な表現。「骨が折れる」(その作業が大変だという状況描写)と対になる関係にあり、主体が誰かのために積極的に苦労するという意志的な行為を示す点で区別される。

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些細なことをとがめ立てすること。小さな欠点を大げさに責めること。

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物事が非常に難しく、多大な苦労・努力・手間がかかること。骨折するほどの過酷さで取り組まなければならない、困難な作業や状況を指す言葉。「骨を折る」(誰かのために尽力する)という能動的表現と対になる受け身の表現で、作業・状況そのものの困難さを客観的に描写する場合に使われる。「骨を折る」が他者への献身を指すのに対し、「骨が折れる」は物事の大変さ自体を描写する点が異なる。

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揚げ足を取る

あげあしをとる

相手の言葉の些細なミスや言い間違いをとらえて、意地悪く責めたり批判したりすること。議論や会話の本質ではなく、言葉のあら探しに終始する行為を指す。「揚げ足」とは相手が失敗の隙をさらした瞬間を指し、それを巧みに捕まえて攻め込む様子を表す慣用句。建設的な議論を阻む、批判的なコミュニケーションの典型として否定的に使われることが多い。

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あたまをかかえる

難しい問題や困った状況に直面して、どうすればよいかわからず深く悩むこと。文字どおり両手で頭を抱えるような、深刻な困惑・行き詰まりの状態を表す言葉。解決策が見つからない焦りや絶望感を身体動作に例えた表現で、仕事・家庭・人間関係などあらゆる困難な場面に幅広く使われる。英語の「at one's wit's end(万策尽きた)」に対応する表現。

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