言葉辞典
慣用句

鼻が高い

はながたかい

慣用句の意味

誇りに思うこと、自慢に思うこと。特に、自分の身内や親しい人の成果・成功を誇りに思う場合によく使う表現。自慢げな様子や得意顔を表す言葉でもあり、正当な誇りや名誉感を示す場合に使われる。否定的なニュアンスは薄く、他者の活躍を自分のことのように誇らしく感じる場面で多く用いられる。英語の「to hold one's head high」や「to be proud」に対応する慣用句。

言葉の成り立ち

「鼻」は日本語で自尊心や誇りを象徴する身体部位として多くの慣用句に登場する。顔の中で最も高く突き出た部分である鼻が高いことを、胸を張って得意顔をする様子の比喩として使う。西洋文化でも「鼻を高くする」(turn up one's nose)という表現があるが、日本語の「鼻が高い」はむしろ正当な誇りや名誉感を表す場合が多く、否定的なニュアンスは薄い。「鼻(はな)」を使った慣用句の中で「鼻を折る」(得意になっている人の自尊心を打ち砕く)とは対照的な関係にある。「鼻が高い」が誇りを感じる状態を表すのに対し、「鼻を折る」はそのような得意気な態度を叩きのめすことを指す。また「鼻を高くする」(傲慢になる)という否定的な表現とも意味が異なり、「鼻が高い」はあくまで周囲の成果に対する誇り感を指すことが多い。

用例

  • 息子が医師国家試験に合格し、親として鼻が高い。
  • 部下が社内表彰を受けたとき、上司は鼻が高い思いで見守っていた。
  • 日本代表が世界大会で優勝し、日本人として鼻が高い気分だ。
  • 卒業生がノーベル賞を受賞したと聞いて、母校の校長は鼻が高かった。
  • 自社の製品が世界で高い評価を受け、社員全員が鼻が高い。

似た慣用句

誇らしい自慢に思う得意に思う面目が立つ

対になる慣用句

恥ずかしい肩身が狭い面目が立たない

英語表現

To be proud; To hold one's head high; To be pleased with oneself or someone close

使う場面

感情誇り

参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 米川明彦・大谷伊都子 編『日本語慣用句辞典』東京堂出版, 2005年

関連する慣用句

慣用句

鼻を折る

はなをおる

得意になっている人や傲慢な人の自尊心を打ち砕き、高飛車な態度を矯正すること。驕り高ぶった者を一撃で謙虚にさせる行為を指す表現。「鼻」が自尊心・誇りの象徴であることから、その鼻を「折る」ことで相手の驕りや慢心を打ち砕くイメージ。英語の「to take someone down a peg or two(上から引きずりおろす)」に対応する。「鼻が高い」と対照的な関係にある慣用句。

慣用句

頭が下がる

あたまがさがる

相手の行いや人柄に対して深く感心し、心から尊敬の念を抱くこと。思わず頭を下げるほどの感動と敬意を感じる様子を表す言葉。特に、長年の献身的な努力や無私の奉仕、困難な状況での毅然とした姿勢に触れたときに使われる表現。単なる「尊敬する」よりも強い感情的な感銘を含み、体が自然に反応してしまうほどの感動のニュアンスがある。

故事成語

名を惜しむ

なをおしむ

自分の名誉や評判を大切にすること。体裁や面目を傷つけることを極度に嫌がることを指す。

慣用句

胸を張る

むねをはる

自信を持って堂々とすること。誇りを持つこと。

慣用句

顔が広い

かおがひろい

多方面に知り合いや人脈が多く、社会的なコネクションが豊富であること。さまざまな業界や分野に顔がきく人物を表す言葉。「顔」が日本語で「社会的な認知・存在感」を意味することから、その顔が「広い」ことで多くの人間関係を持っていることを表す。日本のビジネス文化では人脈が仕事の機会を左右することも多く、「顔が広い」人は頼りになる存在として評価される。「顔が売れる」が不特定多数への知名度を指すのとは異なる。

慣用句

目くじらを立てる

めくじらをたてる

些細なことをとがめ立てすること。小さな欠点を大げさに責めること。

慣用句

骨を折る

ほねをおる

他人や物事のために、多大な苦労や努力を惜しまないこと。特に、誰かの役に立つために自分を犠牲にして骨身を惜しまず尽くす行為を指す。感謝の文脈で「骨を折ってくれた」のように使われることが多い能動的な表現。「骨が折れる」(その作業が大変だという状況描写)と対になる関係にあり、主体が誰かのために積極的に苦労するという意志的な行為を示す点で区別される。

慣用句

へそを曲げる

へそをまげる

機嫌を損ねて意地を張ること。些細なことで不機嫌になり、素直でなくなる様子を表す言葉。子どもっぽい反応や、些細な怒りから意固地になる態度を批判的あるいはやや滑稽に指す場合が多い。「へそ」が体の中心(物事の核心)の象徴として使われることから、その中心が歪む(曲がる)ことで態度や気持ちが素直でなくなる状態を表す。大人に対して使うときにはやや批判的なニュアンスが伴う。

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