竜頭蛇尾
りゅうとうだび
故事成語の意味
最初は勢いがよいが、終わりになるほど振るわなくなること。始めは大きく立派でも、終わりはみすぼらしくなる様子を指す。
故事の由来
中国・宋代の禅語録『景徳伝灯録』に由来する。竜の頭のように立派な始まりでも、蛇の尾のようにみすぼらしく終わることを表す。禅の問答で師が弟子の答えを評した言葉として記録されており、後に一般に用いられるようになった。
用例
- “あのプロジェクトは始めは盛大だったが、竜頭蛇尾に終わった。”
- “竜頭蛇尾にならないよう、最後まで気を抜かずに進めよう。”
- “スポーツでも勉強でも、竜頭蛇尾は最も恥ずかしい結果だ。”
類義の故事成語
対義の故事成語
英語訳
A brilliant start but a poor finish; anticlimactic ending
使うシーン
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年
関連する故事成語
画竜点睛
がりょうてんせい
物事を仕上げるための最後のひとつ、それがなければ全体が完成しないという決定的な仕上げの一手を指す。龍の絵に瞳を入れた途端に本物の龍が飛び去ったという中国の故事に由来する四字熟語。作品・文章・発表などにおいて全体を生き生きとさせる核心部分、あるいはそれを加える行為を言う。「画竜点睛を欠く」の形で、詰めが甘く完成に至らないことを指す用例も多い。
蛇足
だそく
本来不要なのに余計な付け足しをすること。なくても一向に支障がないのに加えてしまった余分なもの、あるいはその行為を指す。文章・発言・工程設計など、蛇に足を描くことでかえって完成度や本来の価値を損なう場面に広く使われる。余分を削ることで本来の輝きが戻るという逆説的な教訓を示す言葉でもあり、補足に「蛇足ながら」と断る慣用表現としても広く定着している。
虎に翼
とらにつばさ
もともと力のある者にさらに力が加わること。強いものがいっそう強くなること。
登竜門
とうりゅうもん
立身出世や成功への難しい関門のこと。それを突破すれば将来が大きく開ける難関や試練を指す。
以心伝心
いしんでんしん
言葉や文字を使わなくても、互いの心が自然に通じ合うこと。禅宗で言語や文字を超えて師匠の悟りが弟子の心に直接伝わることを表した語が日常語に転じた。深い信頼関係や長い付き合いの中で言葉を交わさなくても意思疎通できる状態を表す。特に長年連れ添ったパートナー、同じ道を歩んできた師弟、幼馴染など、積み重ねられた時間が生み出す深い相互理解を表す際に使われることが多い。
馬の耳に念仏
うまのみみにねんぶつ
いくら意見や忠告をしても、まったく効き目がないこと。聞く耳を持たない相手への徒労を表す。何度説明や説得を試みても全く届かない状況を指す。仏教で有難い言葉とされる「念仏」でさえ馬には届かないことから、どれほど誠実な言葉も理解しようとしない相手には無意味だという含意がある。繰り返し指摘しても改善が見られない場面でよく使われる。
背水の陣
はいすいのじん
退路を断ち、後がない状況で全力を尽くすこと。川や海を背に陣を構え、逃げ場をなくすことで兵士を死力で戦わせた中国の軍事戦術が起源。「後がない状況に追い込まれた」という受動的な意味と、「自ら退路を閉じて覚悟を固めた」という能動的な意味の両面を持つ。単なる窮地の描写にとどまらず、決意の表明としても広く使われる。
刎頸の交わり
ふんけいのまじわり
首を刎ねられても後悔しないほどの、深く固い友情のこと。命を捨てても惜しくないほどの親密な交友関係を指す。