言葉辞典
ことわざ

泣きっ面に蜂

なきっつらにはち

ことわざの意味

つらいことが続くところへ、さらに不運が重なることのたとえ。すでに困った状況にある人に別の災難が加わった場面で使う。「弱り目に祟り目」と辞書では類句に挙げられ、厳密な境界はない。こちらは、泣いている顔に蜂がさらに刺すという目に浮かぶ追い打ちの情景を前に出す。「弱り目に祟り目」は、弱っているところへ祟りまで重なる不運に焦点を置く。

言葉の由来

泣いている顔に蜂が刺す情景が、すでにつらい目に遭ったところへさらに不運が加わる意味を支える。辞書によると、江戸中期には「泣きっ面を蜂が刺す」など長い形があり、江戸後期にいろはかるたへ収録された。20世紀以降は現在の「泣きっ面に蜂」が優勢になった。

使い方の例

  • “週末に直した雨どいがまた壊れた日に、冷蔵庫も止まった。泣きっ面に蜂だ。”
  • “子どもが熱を出し、迎えに出た夫まで転んだ。泣きっ面に蜂とはこのことだ。”
  • “締切前日に資料が消えたうえ、予備のバックアップも読めなかった。まさに泣きっ面に蜂だ。”
  • “風邪が治って出勤した朝、パソコンまで故障した。まさに泣きっ面に蜂だ。”
  • “困っているときにさらに災難が重なれば泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目だ。”

似たことわざ

弱り目に祟り目

英語の表現

Misfortunes never come singly.

使う場面

困難失敗日常会話人生訓

参考文献

このページで確認した資料

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編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年

関連することわざ

ことわざ

犬も歩けば棒に当たる

いぬもあるけばぼうにあたる

何かをしていれば思わぬ幸運に出会うこともある、ということ。また、出しゃばると災難に遭うという意味もある。

慣用句

目くじらを立てる

めくじらをたてる

人の欠点や小さな誤りを探し出し、わずかな事を取り立てて強く非難すること。単に誤りを指摘したり、厳しく注意したりすること全部を指すのではない。この辞典での使い分けの目安としては、安全、金額、結論を左右する誤りを具体的に直すのは必要な訂正である。誤りの小ささに比べて、相手を責めることや粗を探すことが前へ出たときに、この慣用句が合う。言葉尻を攻めるなら「揚げ足を取る」、怒った目つきそのものなら「目を三角にする」が近い。誰かの抗議を「目くじら」と呼ぶ側にも、問題を小さく見せる働きがある。何が些細なのかを確かめて使いたい。

ことわざ

出る杭は打たれる

でるくいはうたれる

人より抜きんでた才能や手腕を見せると、周囲からねたまれたり、妨げられたりする。また、出過ぎた振る舞いをすれば、非難や制裁を受けることもある。実力を示しただけで足を引っ張られた場面にも、出しゃばった行動をたしなめる場面にも使う。成功が妬まれたのか、振る舞いが非難されたのかは、前後を読んで見分けたい。集団が目立つ人を押さえつける空気を批判する文脈にも現れる。

ことわざ

触らぬ神に祟りなし

さわらぬかみにたたりなし

面倒なことや危険なことには関わらない方が無難だということ。

慣用句

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我慢を重ねてきた人が、もうこれ以上こらえられず、怒りを表に出すこと。堪忍をためた袋の口を結ぶ緒が切れるという比喩で、限界を越えた瞬間を言う。「目くじらを立てる」は他人の小さな欠点を探して責める行為、「逆鱗に触れる」は本来は目上の怒りを買う語だが、現在は相手をひどく怒らせる意味にも広がった。こちらは怒る側がどれだけ耐え、ついに我慢できなくなったかに焦点がある。

慣用句

骨が折れる

ほねがおれる

物事が非常に難しく、多大な苦労・努力・手間がかかること。骨折するほどの過酷さで取り組まなければならない、困難な作業や状況を指す言葉。「骨を折る」(誰かのために尽力する)という能動的表現と対になる受け身の表現で、作業・状況そのものの困難さを客観的に描写する場合に使われる。「骨を折る」が他者への献身を指すのに対し、「骨が折れる」は物事の大変さ自体を描写する点が異なる。

ことわざ

虎に翼

とらにつばさ

もともと力のある者にさらに力が加わること。強いものがいっそう強くなること。

ことわざ

口は災いの元

くちはわざわいのもと

不用意な発言や軽はずみな言葉が、本人にとって予期せぬ災難や困難を引き起こす原因となることがある。言葉はひとたび口から出ると取り消すことができないため、発言には十分な注意が必要であるという教訓。怒りや感情的な状態での言葉、機密の漏洩、場をわきまえない一言に対する戒めであり、SNS全盛の現代においてこの教訓はより一層重みを増している。

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