一期一会
いちごいちえ
四字熟語の意味
一生に一度だけの出会いと心得て、その場のもてなしに誠心誠意を尽くすべきという茶道の精神を表す言葉。同じ顔ぶれで再び席を設けることがあっても、まったく同じ瞬間は二度と戻らない。転じて、人との縁や機会はすべて唯一の瞬間であると捉え、毎回を大切に誠実に向き合う人生の姿勢を表すものとして、茶道の枠を超えて広く用いられている。
由来・語源
茶道で、一度の会をかけがえのない機会として大切にする考えを表す。『山上宗二記』には利休の教えとして「一期に一度の会」という発想が記録され、井伊直弼『茶湯一会集』には四字形「一期一会」が見える。コトバンクの日本国語大辞典は『茶湯一会集』(1845年頃)を用例として挙げる。別の百科事典は草稿を1848年以前、完本を1858年と記し、彦根城博物館は現存写本を安政4年(1857)とする。これらは草稿・完本・現存写本の段階が異なる記録であり、四字形の成立年を一つに断定できない。
用例
- “この旅で出会った人たちとの縁を、一期一会の気持ちで大切にしたい。”
- “営業の基本は一期一会。初めての商談も、それが最後になるかもしれないと思えば真剣になれる。”
- “年に一度の同窓会でも、一期一会の心で臨むと話が弾む。”
- “一期一会という言葉が示すように、日々の出会いには意味がある。”
- “彼女は一期一会を座右の銘にしており、誰に対しても同じように誠実に接する。”
類義の四字熟語
対義の四字熟語
英語訳
"Treasure every encounter, for it will never recur." / "Once in a lifetime."
使うシーン
参考文献
このページで確認した資料
意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。
- コトバンク「一期一会」 — 語義、山上宗二記の「一期に一度の会」、茶湯一会集の用例と年代表示を確認
- コトバンク「茶湯一会集」 — 日国の1845年頃の用例と、草稿・完本それぞれの年代説明を確認
- 表千家不審菴「一期一会」 — 茶道で一度の会を大切にする心構えと文献の説明を確認
- 漢文訓読「一期一会」 — 山上宗二記・茶湯一会集の本文引用を確認
- 彦根城博物館 資料リスト — 山上宗二記写本の年と茶湯一会集写本の資料情報を確認
- 彦根城博物館「一期一会」展示解説 — 茶湯一会集に見える四字形と成立年代の推定を確認
編集の基本参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
言葉の使い方をもっと磨きたい方へ
PR性格統計学にもとづき、伝え方・褒め方・関わり方を体系的に学べる検定講座。人間関係の悩みの解消に。
誤字脱字・表記揺れ・不自然な言い回しをAIがチェックし、伝わる文章に整えるクラウド校正ツール。
※ このボックスのリンクにはアフィリエイト広告が含まれます
四字熟語をもっと調べたい方へ
PR※ このボックスのリンクにはアフィリエイト広告が含まれます
関連する四字熟語
諸行無常
しょぎょうむじょう
「諸行無常」は、世の中の作られたものはすべて変化し、いつまでも同じ姿ではいられないという仏教の教え。「盛者必衰」は、勢いを得て栄えている人や一族にも、いつか衰える時が来るということ。前者は人も物も含む広い原則、後者は栄えている者の盛衰に焦点を絞る。人気や景気など物事全般の移り変わりを述べるなら「諸行無常」、繁栄した者の今の衰えを語るなら「盛者必衰」が合う。
一朝一夕
いっちょういっせき
一日の朝と夕ほどの短い時間、ほんのわずかな期間をいう。「一朝一夕にはできない」のように否定を伴い、短期間では実現できないことを表す用法が多い。技術を身につけることや信頼を築くことなど、時間をかけて積み重ねる必要があるものについて使う。ここでの「一朝」「一夕」は、文字どおり一度の朝夕を数えるのではなく、短さを表す。
盛者必衰
じょうしゃひっすい
「盛者必衰」は、勢いを得て栄えた人や一族にも、必ず衰える時が来るということ。勢いを失う経緯や原因より、かつての繁栄が永続しない道理に焦点を置く。「諸行無常」は人や物など一切のものが変化するという広い仏教の教えで、この語は盛んだった者の衰えを表す。物事全般の移り変わりを述べるなら「諸行無常」、栄華を誇った者の没落を言う場面なら「盛者必衰」が合う。
一念発起
いちねんほっき
ある物事を成し遂げようとはっきりと心に決意すること。仏教で菩提心を起こすことを「発起」と言い、そこに「一念」(一途な思い)を組み合わせた表現が日常語に転じた。現代では「よし、やろう」という前向きな決意を表す。特に年度の変わり目・転職・失敗の直後など、人生の節目に用いることが多い。心機一転と異なり、最初の一歩を明確に踏み出すニュアンスが強いため、具体的な行動開始を宣言する場面に向く。
心機一転
しんきいってん
気持ちや心の状態をすっかり入れ替えて、新たな気持ちで物事に取り組むこと。過去の失敗・悩み・惰性を振り切り、気分を一新して前向きに出発する様子を表す。悪いことが続いた後や、新しい環境に移る際によく使われる表現。特に年度の変わり目や転職・引越しのような節目に用いられることが多く、新しい環境での出発を宣言する言葉として定着している。過去の自分と決別する積極的な姿勢を表す。
待てば海路の日和あり
まてばかいろのひよりあり
今は状況が悪くても、じっと待っていればそのうちよい機会がやってくるということ。
以心伝心
いしんでんしん
言葉や文字を使わなくても、互いの心が自然に通じ合うこと。禅宗で言語や文字を超えて師匠の悟りが弟子の心に直接伝わることを表した語が日常語に転じた。深い信頼関係や長い付き合いの中で言葉を交わさなくても意思疎通できる状態を表す。特に長年連れ添ったパートナー、同じ道を歩んできた師弟、幼馴染など、積み重ねられた時間が生み出す深い相互理解を表す際に使われることが多い。
旅は道連れ世は情け
たびはみちづれよはなさけ
旅に同行者がいると心強いように、世の中もまた互いに助け合って生きていくべきだということ。「旅の道連れ」と「世の情け」を対句にした構造で、人と人のつながりが困難を乗り越える力になるという教えを示す。見知らぬ土地での旅と日常の社会生活を重ね、どちらの場面でも思いやりと相互扶助が不可欠だと説いている。転じて「人生という旅」の比喩としても広く用いられる。