一朝一夕
いっちょういっせき
四字熟語の意味
一日の朝と夕ほどの短い時間、ほんのわずかな期間をいう。「一朝一夕にはできない」のように否定を伴い、短期間では実現できないことを表す用法が多い。技術を身につけることや信頼を築くことなど、時間をかけて積み重ねる必要があるものについて使う。ここでの「一朝」「一夕」は、文字どおり一度の朝夕を数えるのではなく、短さを表す。
由来・語源
「一朝」はひと朝、「一夕」はひと晩という字義を持つ。『易経』坤卦・文言伝には、君臣・父子の破綻は一朝一夕のことではなく、その原因は徐々に積み重なると記す句がある。辞書はこの原文を出典として掲げ、現代の「一朝一夕にはできない」の用法も説明する。短い時間という字義と、事態は一度に生じるのではないという原文の文脈を分け、否定形に限られない意味を示す。
用例
- “一朝一夕の会議だけで商店街の催しの運営方法が決まったわけではない。”
- “発掘された土器の年代は一朝一夕には定まらず、周辺の資料と照らして調べられた。”
- “古い駅舎の改修は一朝一夕に始められるものではなく、保存範囲の調査から進められた。”
- “窯元の展示室に並ぶ器は、一朝一夕でそろえられたのではなく、何代もの記録が残っている。”
- “新しい遊歩道の整備は一朝一夕には終わらず、工区ごとに開通していった。”
対義の四字熟語
英語訳
In a short time; overnight.
使うシーン
参考文献
このページで確認した資料
意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。
- Jitenon「一朝一夕」 — 見出し・読み・四字熟語分類、短い時間の語義、否定形の用法と『易経』坤・文言伝の出典を確認
- 台湾教育部《重編國語辭典修訂本》「一朝一夕」 — 一朝/一夕の字義、短い時間の意味、『易経』坤卦・文言の原文と文脈を確認
- 故事ことわざ辞典「一朝一夕」 — 読み・意味と一朝/一夕の説明を確認
編集の基本参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
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