言葉辞典
四字熟語

本末転倒

ほんまつてんとう

四字熟語の意味

根本として大切なことと、枝葉のささいなことを取り違え、重みづけを逆にしてしまうこと。目的より手段を優先する、先に解くべき課題を後回しにする、といった判断を批判するときに使う。準備ばかりが増えて成果が遠のく場面は、その一例だ。単なる手順の前後ではなく、何を大事にするかを誤っているのが肝だ。「主客転倒」と意味は重なるが、こちらは根本と枝葉の軽重を軸にする。

由来・語源

「本」は根本・大事なこと、「末」は枝葉・取るに足らないこと、「転倒」は逆さにすること。「本末顛倒」とも表記する。『日本国語大辞典』は河上肇『貧乏物語』(1916年)を初出実例として引用しているが、これは確認できた資料の初出例であり、語の成立年や発祥を示すものではない。

用例

  • “説明資料の色を何時間も直し、肝心の提案内容を確かめていない。これでは本末転倒だ。”
  • “安全確認を省いて作業を急ぐのは、納期より先に守るべきものを取り違えた本末転倒だ。”
  • “応募書類の体裁に時間をかけすぎて提出が遅れたら、本末転倒になってしまう。”
  • “教室の飾りつけが終わらず、生徒に教える時間がなくなった。飾りが授業のための手段なら、本末転倒だ。”
  • “客をもてなす会で主催者が客に給仕をさせるなら主客転倒、会場の飾りを整えることに追われて客の目的に応えられないなら本末転倒だ。”

類義の四字熟語

主客転倒

英語訳

Mistaking what is essential for what is trivial.

使うシーン

判断仕事ビジネス失敗目的と手段

参考文献

このページで確認した資料

意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。

編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年

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ことわざ

急いては事を仕損じる

いそいではことをしそんじる

何事も焦って急ぐと失敗しやすいということ。急ぎすぎると注意力が散漫になり、手順を飛ばしたり確認を怠ったりして、かえって手直しや取り返しに時間がかかってしまう。「急いては」は「急いで行動すれば」という仮定の表現、「仕損じる」は「やり損ねる・失敗する」の意。物事に落ち着いて取り組むことの大切さを説く、日本の代表的なことわざのひとつ。

慣用句

揚げ足を取る

あげあしをとる

相手の言い間違い、言葉尻、表現上の小さな不備だけを取り上げ、主張の筋とは別の所で責めたりからかったりすること。否定的な評価を伴う慣用句で、相手の誤りを正確に直すことすべてを指すわけではない。たとえば数字の桁違いが結論を変えるなら、それは必要な訂正であって「揚げ足を取る」ではない。論点に関わらない一語だけを何度も責め、相手を言い負かすことが目的になったときに使う。会議や文章の検討では、「表現より結論の根拠を確認しよう」と本筋へ戻す言い方を選ぶと、揚げ足取りになりにくい。

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