暗中模索
あんちゅうもさく
四字熟語の意味
手がかりが掴めず、見通しが立たないまま試行錯誤を繰り返すこと。暗闇の中で手探りする様子を比喩にした表現で、問題の解決策や方向性が見えない状況でも諦めずに探し続けることを表す。必ずしも否定的な意味ではなく、粘り強い探索の姿勢を指すこともある。「五里霧中(ごりむちゅう)」も類似した状況を表すが、こちらは方向性が全く見えない混乱状態に近く、暗中模索はより積極的な探索の意味合いが強い点で異なる。
由来・語源
中国・唐代の文人・韓愈(かんゆ、768〜824年)の文章に「暗中摸索」という語が見られる。韓愈は唐代最大の文人の一人で古文復興運動を主導した儒学者でもある。その著作のなかで「暗闇の中で手探りする」という比喩を用いており、この表現が後世に伝わって日本に入ったとされる。日本では「模索」の字に「摸」(てでさわる)ではなく「模」(まねる・手本)の字を当てることが多いが意味は同じ。江戸・明治期を経て現代日本語に定着し、特に研究・開発・経営・交渉などの分野で「まだ答えが見えない探索段階」を表す際に多く使われる。「試行錯誤」「手探り」に近い意味合いを持つ。試行錯誤の過程そのものに価値があるという近代的な解釈も加わり、探索の姿勢を積極的に評価する語として現代でも多用される。
用例
- “新製品の開発は暗中模索の連続だったが、三年目にようやく光明が見えた。”
- “暗中模索の時期を乗り越えた経験が、のちの成功の礎になった。”
- “業界の構造が大きく変わり、各社が暗中模索の状態で次の一手を探っている。”
- “暗中模索しながらも、毎日少しずつ前に進めていることに充実感を感じる。”
- “研究室での暗中模索こそが科学の本質であり、すぐに答えが出る問題に価値はない。”
類義の四字熟語
対義の四字熟語
英語訳
"Groping in the dark." / "Feeling one's way."
使うシーン
参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年
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