言葉辞典
慣用句

肩を持つ

かたをもつ

慣用句の意味

一方の味方をすること。ひいきにすること。

言葉の成り立ち

「肩」には古くから助力・ひいき・味方という意味がある。精選版日本国語大辞典は「肩」の語義にこれを立てたうえで「肩を持つ」を参照させ、初出例として『蒙求抄』(寛永刊本・1529年頃)の「荀勗等がかたをして廃せられぬやうにしたぞ」を挙げる。「肩を持つ」は、この「肩」の用法を受けた言い方である。 相撲で力士の肩を支えて応援する姿が語源だとする説明を見かけるが、それを示す辞書は確認できていない。荷を担ぐ肩、力を貸す肩という連想は自然に思えるものの、成立の事情を断定できる資料はなく、由来は未詳としておく。なお改訂新版世界大百科事典は、中国で左肩を脱ぐことを「左袒」といい、前漢の周勃の故事(『十八史略』)から味方する意になったと記すが、これは別の語であり、「肩を持つ」の出典ではない。

用例

  • “いつも弟の肩を持つのはやめてほしい。”

似た慣用句

味方するひいきする

英語表現

To take sides with someone

使う場面

人間関係支持

参考文献

このページで確認した資料

意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。

  • コトバンク「肩」 — 精選版が「肩」の語義に「助力。ひいき。味方。→肩を持つ。」を立て、初出の実例に寛永刊本『蒙求抄』(1529頃)の「荀勗等がかたをして廃せられぬやうにしたぞ」を挙げることの確認。あわせて改訂新版世界大百科事典が、左肩を脱ぐ「左袒」が『十八史略』の周勃の故事から味方する意になったと記すこと(これは別語で「肩を持つ」の出典ではない)
  • Weblio「肩を持つ」 — 実用日本語表現辞典とデジタル大辞泉が語義を味方する・ひいきをするとし、相撲に由来を求める記述を置いていないことの確認

編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 米川明彦・大谷伊都子 編『日本語慣用句辞典』東京堂出版, 2005年

関連する慣用句

ことわざ

人の褌で相撲を取る

ひとのふんどしですもうをとる

他人が用意した物・資金・アイデア・労力を利用し、自分の成果や利益にすること。特に、自分では相応の準備や負担をせず、手柄や利益だけを得ようとする不公平な態度を批判するときに使う。人に助けてもらうこと自体を責める語ではない。許可を得て協力し、貢献者を明記して負担と成果を分けるなら、この語で非難する場面とは言いにくい。ただし、形式上の許可があっても配分が不公平なら、文脈によっては当てはまる。「虎の威を借る狐」は他人の権威を後ろ盾にして威張ること、「付和雷同」は自分で考えず意見に従うことが中心である。

慣用句

肩身が狭い

かたみがせまい

周囲に対して引け目を感じ、居心地が悪いこと。面目が立たないこと。

慣用句

揚げ足を取る

あげあしをとる

相手の言い間違い、言葉尻、表現上の小さな不備だけを取り上げ、主張の筋とは別の所で責めたりからかったりすること。否定的な評価を伴う慣用句で、相手の誤りを正確に直すことすべてを指すわけではない。たとえば数字の桁違いが結論を変えるなら、それは必要な訂正であって「揚げ足を取る」ではない。論点に関わらない一語だけを何度も責め、相手を言い負かすことが目的になったときに使う。会議や文章の検討では、「表現より結論の根拠を確認しよう」と本筋へ戻す言い方を選ぶと、揚げ足取りになりにくい。

故事成語

股肱の臣

ここうのしん

主君や上位者が最も信頼し、頼りにする忠実な家臣や部下のこと。腹心の部下を指す。

故事成語

刎頸の交わり

ふんけいのまじわり

首を刎ねられても後悔しないほどの、深く固い友情のこと。命を捨てても惜しくないほどの親密な交友関係を指す。

慣用句

音を上げる

ねをあげる

苦しさに耐えきれず弱音を吐くこと。降参すること。

慣用句

胸を張る

むねをはる

自信を持って堂々とすること。誇りを持つこと。

慣用句

腕を振るう

うでをふるう

技量を十分に発揮すること。得意な技術を存分に見せること。

運営: テックジョイント株式会社 | サイトについて | プライバシーポリシー