破天荒
はてんこう
故事成語の意味
それまで誰も成し遂げたことのないことを初めて行うこと。何が初めてかを具体的に示して使う。「前人未到」と近い。文化庁調査では「豪快で大胆な様子」と受け取る人も多く、性格を評する用法が広く見られるが、これは本来義ではない。何が未踏の成果なのかを文脈で示したい。本来義が指すのは、人柄でなく初めての達成である。
故事の由来
『北夢瑣言』巻四は、唐代の荊州から科挙の合格者が出ず「天荒解」と呼ばれていたところ、劉蛻が初めて合格し「破天荒」と称された故事を伝える。「天荒」は未開の地を指し、そこを破るという比喩が本来の意味になったと辞書は説明する。文化庁平成20年度調査では本来義「誰も成し得なかったことをする」は16.9%、別義「豪快で大胆な様子」は64.2%が選んだ。
用例
- “百年間、誰も登頂できなかった峰に初めて到達し、隊は破天荒な快挙を成し遂げた。”
- “町で初めて女性の消防団長になり、彼女の就任は破天荒な出来事として話題になった。”
- “誰も成功させられなかった加工法を初めて確立し、破天荒な技術革新として記録に残した。”
- “「破天荒な性格」と紹介されたが、文脈では自由奔放という意味で、前人未到の達成を指す語義とは違う。”
- “会社初の海外拠点を一年で立ち上げた。その達成を破天荒と呼ぶなら、何が前例のない成果かも説明したい。”
英語訳
An unprecedented achievement; the first of its kind.
使うシーン
参考文献
このページで確認した資料
意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。
- Jitenon国語辞典「破天荒」 — 読みと、前人が成し遂げなかったことを初めて行う意味を確認
- コトバンク「破天荒」 — デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・ことわざを知る辞典の語義と北夢瑣言巻四・唐摭言巻二の出典表示を確認
- 漢字ペディア「破天荒」 — 前人未到の初達成という語義と劉蛻の故事を確認
- 『北夢瑣言』巻四 — 唐荊州での科挙と劉蛻の初合格、「破天荒」の故事本文を確認
- 文化庁・平成20年度「国語に関する世論調査」 — 「誰も成し得なかったことをする」と「豪快で大胆な様子」の選択率を確認
- Jitenon四字熟語辞典「破天荒解」 — 三字の「破天荒」と四字熟語「破天荒解」が別見出しであることを確認
編集の基本参考文献
- 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
- 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
- 尚学図書 編『故事ことわざ辞典』小学館, 2012年
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