言葉辞典
四字熟語

八方美人

はっぽうびじん

四字熟語の意味

どこから見ても難点のない美人を指す本来の意味と、誰にでも愛想よく接し、相手に調子を合わせること・その人を指す意味がある。今の用法では後者に非難を込めることが多い。誰からも悪く思われまいと、相手に合わせる態度もそう評されることがある。前後を見て、容姿の賛美か、相手への批判かを見分けたい。口調や文脈も手掛かりになる。

由来・語源

「八方」は四方と四隅を合わせたあらゆる方向、「美人」は美しい人。どこから見ても欠点のない美人という字義から、誰に対しても悪く思われないよう如才なく振る舞う意味へ転じたと辞書は説明する。精選版日本国語大辞典は森鷗外『羽鳥千尋』(1912年)の例を、否定的な対人用法の初出実例として掲げる。意味の転用が始まった時期までは資料から特定できない。

用例

  • “会議では部長に賛成し、別の席では反対の人にも同調する。八方美人だと見られていた。”
  • “誰からも悪く思われたくなくて、頼みを全部引き受ける八方美人になってしまった。”
  • “八方美人と呼ばれたくなくて、賛同できない意見には理由を添えて伝えた。”
  • “どの角度から見ても難点のない美人という意味で、彼女を八方美人と評した。”
  • “誰にでも丁寧に応対しただけの同僚を八方美人と決めつけ、本人を傷つけた。”

英語訳

A people-pleaser; a flawless beauty from every angle.

使うシーン

人物評人間関係批判コミュニケーション日常会話

参考文献

このページで確認した資料

意味・由来の記述は、次の資料を照合して編集しています。

  • コトバンク「八方美人」 — 大辞泉・日本国語大辞典・四字熟語を知る辞典の見出し、読み、本来の意味、対人用法と非難の含み、1912年の初出実例を確認
  • イミダス「八方美人」 — 四字熟語分類・読み、本来の意味から対人用法へ転じた説明と否定的用例を確認
  • Jitenon「八方美人」 — 四字熟語分類・読み・本来の意味と対人用法、「八方」の字義と否定的用法の説明を確認

編集の基本参考文献

  • 新村出 編『広辞苑 第七版』岩波書店, 2018年
  • 松村明 編『大辞林 第四版』三省堂, 2019年
  • 三省堂編修所 編『新明解四字熟語辞典 第二版』三省堂, 2020年

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